未経験エンジニア市場におけるコロナの影響
最近、転職を支援していく中で、
「未経験のIT/webエンジニア市場におけるコロナウイルスの影響」
について質問されることが増えてきました。
主に以下の3点をよく聞かれます
①最近の求人状況はどうなのか?
▶︎未経験エンジニア市場においては、採用停止・縮小はあるものの、
全体としてはまだ採用は続いている
②転職における影響はどうなっているのか?
▶︎採用ハードルが上がり、面接はオンラインに移行された
③今転職した方が良いのか?
▶︎離職者はすぐ転職した方が良い。現職の方は絶対エンジニアという人は急いだ方が良い。コロナ収束まで延期した場合は最悪2年後になるかもしれない。
それでは1つ1つ解説していきます。
①最近の求人状況はどうなのか?
現時点(2020年4月28日現在)の話になりますが、
全体としては「影響は少しづつ出てきているが、まだ微風(そよかぜ)くらい」という感じです。
経験者のマーケットが軒並み求人クローズになっていることに比べると、
比較的求人はありそうという感じです。
自社開発、受託開発系の求人で「コロナだから」クローズしたというところは今のところ少ないです(弊社内調べ)。
一番影響を受けているのはSESの求人。
特に大量採用をしていた大手・中堅のSESが、募集を停止・縮小し始めています。
①案件が減ることを見越している
②昨年からの大量採用が続き、充足してきている
(その埋まり具合は、企業によっては2020年11月採用の枠をスタートするということも・・・)
②転職活動における影響はどうなっているのか?
転職市場にあたえている影響は主に以下の2点です。
②-①採用バーがより高くなった
②-②面接がオンラインになった
②-①採用バーがより高くなった
①でも記載した通りなのですが、採用が縮小・停止され始めています。
書類選考で言えば、
「明確に採用縮小に伴い選考通過基準を上げた企業」と、
「以前なら通過したレベルが通過しなくなった」という、
サイレントハードル上げ企業が出てきています。
また、面接で見られる基準も上がってきているように感じます。
(これは体感的な話)
面接対策的なところはまた別のタイミングでお話をします。
②-②面接がオンラインになった
直近の面接はコロナの影響でskypeやzoomでのオンラインで実施されることが増えてきました。
これによる嬉しい誤算?としては、
・「面接の雰囲気が苦手な方が、オンラインだと比較的うまく話せるようになる」
・「必ず対面の面接ではないと受けられなかった企業がオンラインで遠方から設けられるようになった」
という2点です。
「面接」と聞いて身構えてしまった方も、オンライン化されることによって、
あの「面接独特の雰囲気」や、
「面接に行くまでの緊張(もはや行くという過程に緊張がある)」
が軽減されるようです。
「オンラインだと、直接会ったときのニュアンスのようなもの」がわからないと、
面接官の方は危惧していたようですが、
普通に内定がオンライン面接だけで出ることも出てきています。
アフターコロナ後は対面じゃないといけないという常識は、
なくなるかもしれないですね。
対面の面接セッティングって大変ですし、
オンライン面接の楽さに慣れてしまったら、戻れないのではないかと思っています笑
③今転職した方が良いのか?
離職中の方→急いだ方が良いと思います。
現職の方 →「絶対にエンジニアになりたい」という方以外は、転職自体は急がなくても良いかもしれないです。
※これは完全に私見ですので、事実ベースでは今のところないです。
全体として、「中程度の経験者市場が採用停止」になっていく中で、
未経験エンジニアも今後は採用の縮小が見込まれます。
②で書いたように、採用のハードルも徐々に上がってきており、
少ない求人に人が押し寄せるような構図が今後加速されると思います。
一番影響を受けるのが「学習したけれど、めちゃくちゃアウトプットが出せなかった」という実務は未経験層の方と、「そもそも学習せずに入社してから勉強しよう」と思っていた完全未経験の層です。
このような方々の受け皿として小から大までのSESの企業様があったのですが、
求人がなくなると行き先を完全に失ってしまいます。
また、自社開発や受託開発も求人がクローズする可能性は否めません。
そうすると、シンプルに生活が厳しくなってくるので、「急いだ方が良い」です。
面接・自分のアウトプットに自信がない方は、
「ある程度数を受けてまずは内定を取る」ことを意識した転職活動をした方が良いかなと思います。
「自分は大丈夫」と、謎に自信がある方がいるのですが、こういう形ほど危ないです。
めっちゃいい会社だけピックアップして受けるというのも戦略としてはありですが強者の戦略です。
現職の方については、上記の理由もあり「絶対にエンジニアになりたい」という方以外は急がなくてもいいと思います。
コロナの影響は正直どれだけ続くのかわかりません。
コロナが収束したとしてクローズした求人がすぐに復活するかというと、
タイムラグが発生すると思われます。
詳しく書くと(興味ない方は飛ばしてもOK)
コロナ収束
→企業が眠っていた取引を再開
→人員ニーズが発生
→採用計画を立てる
→求人化
という流れだからです。
現時点では各企業が緊急事態宣言解除予定日である5月6日に合わせて採用計画を立てていると思います。
ただ、「そもそも解除されない」という可能性も大いにありえます。
最大2年間影響が続くかもしれないとも言われていますね。
「最悪2年後に転職活動でもいいや」
という方以外は、受けておいた方が良いと思います。
余談ですが、未経験者の採用においては、3つの年齢の壁があります。
・26歳までの壁
・27歳から29歳までの壁
・30歳以降という壁
2年後に27歳を迎えてしまう方は、ハードルが上がる覚悟が必要です。
30歳を迎えてしまう方は、エンジニアとしての就業ハードルは爆上がりすると思っていてください(29歳も最近は少しきつい)
なぜ年齢が高いと嫌われてしまうのかと言った点については、また別の記事で解説をしたいと思います。
さいごに
まとめです。
「経験者市場と比較すると、まだ影響は少ないですが、
これから影響が拡大することが予想されます。
転職に臨む方は今まで以上に準備をしてから面接に挑むようにしてください」
皆さんの転職活動がうまくいくことを祈念しています。